2021年6月27日 聖霊降臨節第6主日礼拝
保母光彦牧師説教
★説教題:「カレブの挑戦」(主の約束と力を信じる信仰) ヨシュア記14章
★暗誦聖句
・6月28日(月):ヨシュア記14章8節●
しかし、共に上って行った兄弟たちは、民の心をくじいてしまいましたが、わたしは全くわが神、主に従いました。
・6月29日(火):民数記14章24節●
ただし、わたしのしもべカレブは違った心をもっていて、わたしに完全に従ったので、わたしは彼が行ってきた地に彼を導き入れるであろう。
・6月30日(水):民数記14章29~30節●
あなたがたは死体となって、この荒れ野に倒れるであろう。あなたがたのうち、わたしにむかってつぶやいた者、すなわち、すべて数えられた二十歳以上の者はみな倒れるであろう。エフンネの子カレブと、ヌンの子ヨシュアのほかは、わたしがかつて、あなたがたを住まわせようと、手をあげて誓った地に、はいることができないであろう。
・7月1日(木):ヨシュア記13章1節●
さてヨシュアは年が進んで老いたが、主は彼に言われた、「あなたは年が進んで老いたが、取るべき地は、なお多く残っている」。
・7月2日(金):ヨシュア記14章11節●
今もなお、モーセがわたしをつかわした日のように、健やかです。わたしの今の力は、あの時の力に劣らず、どんな働きにも、戦いにも堪えることができます。
・7月3日(土):ローマ人への手紙10章17節●
したがって、信仰は聞くことによるのであり、聞くことはキリストの言葉から来るのである。
★説教要約
*目標:神に従い続ける人への祝福を知る。
*主題:主の約束と力を信じる信仰。
*暗誦聖句:「私は、私の神、主に従い通しました」。(ヨシュア14:8●)
<カレブの挑戦> ヨシュア記14章
1.カレブについての聖書の記事の確認 〔民数記13~14章,申命記1章35~36節〕
カレブは何を根拠にヘブロンを相続地として求めたのか。そこにカレブのどのような信仰が表れているか、若い頃の信仰と比較してみましょう。神のことば、約束について、どのようなことがいえるでしょうか。また、それを聴き、応答する私達の態度は、どうあることが大切だと思いますか?を考えながら学びましょう。 先週のエリコの戦いを皮切りとしてカナンの町々を征服してきたヨシュアには、土地を分与するという大きな責任が残されていました。考えてみましょう。40年以上も荒野に滞在してきたイスラエルの民にとって、これは大きな問題です。部族ごとにくじが引かれ、相続地が決定していく中で、自ら希望して土地の相続を申し入れたのがカレブでした。聖書中には限られた記録しか残されていないカレブですが、一貫した信仰の姿勢からは、鮮烈な印象を受けます。困難の中でも主に従うとはどういうことか、その姿から学びましょう。
2.壮健なカレブ
民数記13~14章の時点では40才だったカレブが85才になって再登場です。ヨシュアにとってもこのカレブはさぞ特別な存在だったことでしょう。何といってもあの偵察後、他の十人の族長たちが一様におじけづく中で、主が共におられること、恐れてはならないことを主張したのは、このヨシュアとカレブだけでした(民数14:8)。まさに盟友と呼ぶことができる二人です。この時に20才以上だった者たちは、二人を除いて荒野で死に絶えていました(同29~30節●)。
そんな二人も年をとり老人となりました。「ヨシュアは年を重ねて老人になっていた」(13:1●)の記述が目を引きます。しかし、それ以上に目を引くのはカレブについての説明です。「モーセが私を遣わした日と同様に今も私は壮健です。私の今の力はあの時の力と変わらず・・・」(11節●)とありますが、そのことばのとおりに、その後カレブは相続地として希望したヘブロンを征服し、その地の戦いを終わらせました(15節)。驚くべき老人です。しかしここで注目したいのは、戦うことにおいて衰えることのないカレブの強さではなく、主を信頼し、主の約束を信じ続けることにおける強さです。どんな強大な敵が目の前に立ち塞がろうとも、共にいてくださる主が約束されたのならば、負けることはないという信仰(14節)の強さです。若い時も、年老いてからも、「主に従い通す」信仰が一貫しています。この信仰こそが大切です。まず神の国と神の義を求めよ、です。
3.「わたしのしもべ」と呼ばれたカレブ
ヨシュアと共に約束の地に入ることが許された事実だけでなく、カレブに対する主の特別な評価は主が語られたことばにも表れています。民数記14章24節●です。
聖書の中で、主ご自身に「わたしのしもべ」と呼ばれた人は、アブラハム、モーセ、ダビデ、ヨブ、イザヤなどごく限られているのですが、このそうそうたる顔ぶれの中にカレブも数えられるのです。「しもべ」とは、どのような困難があったとしても、主人の計画の実現のために尽くし、従う存在です。カレブはまさにそのような人物でした。あの十人の族長たちのように恐れを覚え妥協して、従うことをやめてしまってもしかたがないような状況下でも、彼の信仰は揺るぎませんでした。聖書に残された記録は数少なくとも生涯を通して主に従い続けるためには、いったいどうしたらよいのでしょうか。カレブをはじめとする「主のしもべ」と呼ばれる信仰者たちの記録を確認するときに、一つの共通点が浮かびます。それは、主が語られたことばや約束を大切にし正確に理解しようとしているということです。「ですから、信仰は聞くことから始まります」(ローマ10:17●)
ある先生が語っています。「以前、二人一組になって、語りかけられた内容を、そのまま相手に語り返すというゲームをしました。すると多くの場合、自分の勝手な思い込みによって、相手が伝えようとした内容を変えてしまっていることに気づきました。聖書を通して私たちに語りかける主のことばをどのような姿勢で聞くのか、それが私たちの信仰の生涯の鍵となりますよ!」と。
【聖書から】 (新共同訳)
ヨルダン川の西側
14:1イスラエルの人々が、カナンの土地で嗣業の土地として受け継いだのは、次のとおりである。これは、祭司エリアザルとヌンの子ヨシュアが、イスラエルの人々の諸部族の家長と共に、彼らの嗣業の土地として与えたものである。2すなわち主がモーセを通して命じられたように、くじで九つ半の部族に嗣業の土地を割り当てた。3モーセは既に他の二つ半の部族にはヨルダン川の東側に嗣業の土地を与えていた。彼はレビ人には 嗣業の土地を彼らの間にあたえなかったが、4ヨセフの子孫がマナセとエフライムの二つの部族になっていた。レビ人は、カナンの土地の中には住むべき町と財産である家畜の放牧地のほか、何の割り当て地も与えられなかった。5イスラエルの人々は、土地を割り当てるにあたって、主がモーセに命じられたとおりにした。
(以下、省略します)
1. ヨシュア記14章6~15節
2. ヨシュア記24章32~33節
3. 写真:ヘブロンの町
4. 地図:BC12世紀(土師時代)のイスラエル12部族の名前(場所)を示す地図。
5. ヨセフの死、お墓についての記述。